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なぜ体を動かすと創造性が高まるのか

インスピレーションをお探しですか? インスピレーションは、座った姿勢で真っ白のページをじっと見つめるだけでは湧いてきません。科学者は運動と創造性が密接に関わっていると説きます。どういうことなのか、この2つの関係性を深く掘り下げていきましょう。

 

ドイツの哲学者で思想家のフリードリヒ・ニーチェは運動の必要性を熱心に唱え、米アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズは運動愛好家でした。また、米作家のアリアナ・ハフィントンは毎日体を動かし、村上春樹は運動を著書のテーマにさえしました。歴史を振り返ると、世界的に著名な思想家や起業家の中には、体を動かすことで創造性を刺激してきた人が少なくないことが分かります。

 

村上春樹は自身のエッセイ集「走ることについて語るときに僕の語ること」(文藝春秋)で、体力は芸術的な感性と同じくらい必要、と書いています。それでも、仕事で創造性が必要な人の多くが、まさに仕事を理由に運動をしていないのです。はたして、貴重なデスクワークの時間を犠牲にしてでも外に出て運動すれば、本当に創造性が向上するのでしょうか?

 

 

科学的に言えること

運動がストレス解消など、心に良い影響を与えることは広く知られています。ジョン・レイティ博士は著書「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方」(NHK出版)で、運動は身体的なパフォーマンスを向上させるだけでなく、それをはるかに超えるメリットをもたらすと説いています。本著は運動が脳の化学的・生理的な働きに与える影響についても触れています。レイティ博士は、運動が神経の可塑性(かそせい)、つまり新しい神経回路を作る能力を高めると強調します。この点に関しては気分や判断能力の向上と関係しているようにみえますが、創造性についてはどうでしょうか?

 

運動と創造性の関連性については、主に有酸素運動(ランニングなど)または無酸素運動(スプリントなど)を焦点にした研究が行われています。複数の研究によると、有酸素運動はマルチタスクの処理速度を上げる一方、激しいトレーニングは記憶力を高め、時間をおいて創造性を高める効果もあることが分かっています。ランチの時間に速いテンポでランニングをする人には朗報ですね。

 

さらにグッドニュースかもしれないのは、創造力を掻き立てるのに全力で走る必要はないということ。かつてニーチェは、最高の考えは散歩中に思いつくものだと言いました。この発言は現在では科学的にも裏付けられています。

 

米スタンフォード大による研究論文「Give Your Ideas Some Legs:The Positive Effect of Walking on Creative Thinking」では、4つの異なる方法を用いて、ウォーキングが創造性に及ぼす影響を評価しました。その結果、運動中とその直後の両方で、創造性が向上することが分かりました。屋内外は関係なく、「ウォーキングをすることで自由な発想ができる。創造性を高め、身体活動を向上させるには、ウォーキングがシンプルかつ確実な解決策である」と論文は結論付けています。

 

 

オフラインでインスピレーションを

つまり、これらの科学的な研究によって、世界屈指の優秀な思想家の主張は裏付けされたということです。ランニングでもウォーキングでも、身体を動かすことが新しい発想につながるのです。

 

室内で動くことにもメリットはありますが、蛍光灯の光やスクリーンから離れて外に出ると、動くメリットに加えて外にいることで得られるプラス効果が得られます。

 

ある研究では、自然の中に身を置くことが創造性に大きな影響を与えるという結果が出ています。テクノロジーに邪魔されずに自然の中で4日間過ごしただけで、問題解決能力が50%向上したのです。

 

では、この利点を日常生活で最大限に活用するための4つの方法を紹介しましょう。

 

 

外に出る

「枠にとらわれない考え方」を始めるための最良の方法は、オフィスビルやアパートに留まらないで、屋外に出ることです。新鮮な空気の中で体を動かすと新たな視点が得られ、脳に新しい刺激が伝わりやすくなります。定期的に外に出てランニングやウォーキングをすれば、前述のように創造性が高まるだけでなく、新しいものを見たり聞いたり、新しい人に出会ったり、他の人達が交流する様子を目にしたりできます。かつて、スティーブ・ジョブズはこう言いました。「人間としての経験への理解が広まるほど、より多くの点と点を結ぶことができ、より創造的なアイデアを生み出すことができる」

 

自然の中へ

外に出るのは素晴らしいことです。それが大自然ならなおさらです。携帯電話に電波が届かなくなったときこそ、自然の恩恵が感じられるのです。

 

私たちのデバイスは、ある意味では生産性を向上させてくれますが、一方で創造力を低下させます。電子メールやインスタントメッセージによって常に集中力が中断される、いわゆる「タスクスイッチング」が起こると、集中できる時間が短くなり、注意力と生産性が発揮しにくくなります。

 

屋外へ出ることの利点について言及した上述の研究を覚えていますか? その論文では、自然に身を置くことが「注意力回復理論(ART)」の重要な要素として挙げられています。ARTによれば、自然に触れることで前頭前野の処理能力を回復させることができます。言い換えれば、脳をフルパワーに戻すことができるのです。

 

ビル・ゲイツがオフィスを離れて読書や考え事をするために「シンク・ウィーク」を取るのには理由があります。彼は、よく自然に触れにいくことで知られています。彼が滞在したノルウェーのストルフィヨルドにあるキャビンは、読書が快適に楽しめるうえに、手つかずの自然にも簡単にアクセスできます。研究によると、このような行動で偉大な精神がさらに偉大になります。

 

 

移動しながらの会議

米国人が1日に座っている時間は平均10時間です。多くの人は、その時間の多くを仕事に費やしています。仕事を終わらせるためにはある程度のデスクワークも必要ですが、会議の場所をオフィスから屋外に移して、健康と創造性を高めるというのも1つのアイデアです。

 

スティーブ・ジョブズは歩きながら会議をする「ウォーキングミーティング」を推奨していましたが、その効果は前出のスタンフォード大の研究でも認められています。ある実験では、座っているときよりも動いているときのほうが、創造的な解決策を思いつく確率が2倍になるという結果が出ています。

 

LinkedInの最高経営責任者(CEO)を務めるジェフ・ワイナー氏もウォーキングミーティングを推奨する1人です。「健康促進に与える利点が明らかなうえ、このミーティング形式では基本的に気が散ることがないので、かなり生産的に時間が過ごせると思う」とインタビューに答えています。また英ヴァージングループを設立したリチャード・ブランソンもその効果をブログで紹介しています。2014年、Facebookが190億ドルでWhatsAppを買収すると決まったのは、マーク・ザッカーバーグとジャン・コームの複数回にわたるウォーキングミーティングによるものだったと噂されています。歩きながらの議論はとても大切なことのようです。

 

いつでも動ける準備を

服装は思考にも影響を与えます。ドクターコートを着ると注意力が長続きするという研究結果があるように、動きやすさを追求したシューズやギアを身につけることは、外に出るモチベーションにつながります。例えば、快適な軽量シューズを履けば、長い距離を進みたくなるでしょう。通気性と吸湿性に優れたウェアを着れば、体を動かしながら行うミーティングで汗をかきすぎる心配もありません。また、天候や防水性に配慮したギアがあれば、どんな気候でも外に出て自然を満喫したくなります。つまり、適切なワードローブがあれば、いつでもすぐに運動ができ、アイデアを膨らますことができるのです。

 

体を動かすことのメリットはよく知られていますが、運動が創造性に与える影響が分かってきたのはつい最近のことです。大きなアイデアが浮かぶのをただ待つのではなく、外に出て、それを追い求めましょう。

 

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