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スター写真家クリス・バーカートQ&A

地球上で最も美しく、遠く離れた辺境の数々を定期的に訪れる写真家のクリス・バーカート(Chris Burkard)さんは、特別な場所での特別な瞬間を捉えるスペシャリスト。バーカートさんこそまさに、Onが特別に作った山小屋「On Mountain Hut」 を訪れるのにうってつけの人物でした。

 

ベテラン探検家、写真家、クリエイティブディレクター、講演者、作家と、いくつもの肩書きを持ち、地球の最果ての地を求めて365日、旅をし続けるクリス・バーカートさん。

そんなバーカートさんの仕事は、人が自然との関係を見つめ直すきっかけを与える、インスピレーションに溢れたストーリーや写真をフレームに収めること。それは野生の自然保護活動の促進にもつながっています。

バーカートさんにとっての写真は、それを見た人たちが旅をしたり、喜びを見つけたり、快適な環境から外に出て新しい経験を求めたくなったりするような、ひらめきを与える手段なのです。

この夏、OnはバーカートさんをOnの山小屋「On Mountain Hut」で過ごす、一生に一度きりの原点回帰の旅に招待。バーカートさんの写真と同じように、インスピレーションに溢れた旅にしたいと考えました。

これを読んでいるあなたにもチャンスはあります。来年の夏に再び姿を現すOnの山小屋での滞在方法は、下のインスタグラム投稿をご覧ください。

 

 

旅への情熱、ロシアでの勾留話、スイスアルプスへの旅に抱く期待などについてバーカートさんに話を聞きました。

 

常日頃から自然と世界を探検したいという強い願望を持っていたのですか?

 

小さな町で育った私は、幼少期に旅行と呼べるようなものをしたことがなかったので、単に「外の世界」に何があるのか知りたいと思っていました。子供の頃に旅行の経験が少ないほど、旅のありがたみを身をもって感じられると思っています。だから21歳で初めてパスポートを手にしたとき、ついに世界を見られる魔法のギフトが手に入ったと感じました。もう思いとどまることはありませんでした。

今日まで、旅が私にいろいろと教えてくれたと思っています。辺境の地を訪れ、その記録を残してきたことで、本当に信じられないほど多くのことを学びました。

 

初めて家から離れて旅に出たときのことを覚えていますか?

 

生まれて初めての旅は中東での仕事でした。言うまでもなく全力を尽くしましたよ!雑誌「Transworld Surf」から受注した仕事で、その地域のサーフィングの可能性を探る内容でした。新境地を開く経験になりました。

 

オマーンのモスクで拡声器から流れてきた祈りの音を未だに覚えています。そこにいる人々の優しさには目を見張るものがありました。私は衝撃を受け、そのときようやく、他人の気持ちを理解することを学んだと感じたのです。

 

 

これまで訪問した場所には地球上で最もエキサイティングな場所もいくつかありましたが、特に印象に残っている場所はありますか?

アリューシャン列島とクリール諸島で過ごした時間は驚きの連続でした。主に活火山がどれだけ活発なのかといった話なのですが…。それはもう目を奪うほどの光景です。新しく土地が目の前で作られていく――そんなようすが見られる場所は世界にそれほど多くありません。

このような場所はチャンスがあればすぐに行きたいですね。アイスランドにはかれこれ37回行っていますが、毎年、少なくとも数回は戻るようにしています。かけがえのない友人が暮らしている場所でもありますし、そこで取り組みたい環境問題などもあるからです。

海を臨む険しい山々があるところならどこでも、と言っていいほどかなり夢中です。

 

良い意味でも悪い意味でも、これまでに最も怖かった、または最悪だった撮影は?

2009年のロシアです。私はロシアの勾留所に送られ、24時間後に韓国に強制送還されました。すべてはビザ(査証)の問題からでした。それは私の若い人生の中で、最も恐ろしい体験でした。

 

私たちは税関に並んでいました。一人ずつ、全員が通過しました。最後の私の番になり、そこで私のパスポートの日付が間違っていたことが判ったのです。大使館でビザにスタンプを押した人のミスでした。それが理由で私は24時間勾留されたのです。片目の警備員は―冗談なんかではなく― 独房に私を押し込むと、ドアを閉めて去っていったのでした。

私は韓国に強制送還された翌日、ロシアに再び戻りました。次の15日間は波を探して過ごしましたが、その間、サーフィンをすることができたのは約2時間でした。皮肉なことですが、そのロシアの旅は私が今まで行った旅の中でも、かつてないほど多くの取材を受けました。

     ― ナショナルジオグラフィックに掲載された記事より抜粋
 

 

  

On Mountain Hutへの旅では何を期待していますか?

 

何より孤独。それから、永遠でないものを写真に残すチャンスを得ることも、本当に特別です。ほんの数カ月で山小屋がなくなるというアイデアは、はかない経験をさせてくれるほか、フレームに収めた写真の価値は遥かに上がります。

 

 

自身にとって「原点回帰」とはどういう意味ですか?

そうですね、たくさんの意味があると思います。最も重要なことは、私たちすべてがやって来た源に戻るということを意味するものだということじゃないでしょうか。自然そのものが源であり、私たちを自然へと近づけるものは何でも、私たちを真実の、そして最も本物の自分へと近づけてくれます。

自然の力によって人間は、自身の内面を深く見つめます。そしてそれは、時に絶大な影響を及ぼします。そんな瞬間が訪れるのをいつも楽しみにしています。 

 

この記事の写真はすべてクリス・バーカート氏の好意によるものです。バーカート氏が撮影した作品の詳細は、ウェブサイトとInstagramで見ることができます。