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シリーズ「アスリート的マインドセット」その2:持久力

長い距離をあきらめず完走し、挫折からしっかりと立ち直れる精神を鍛える方法は?エリートランナーたちから教わったヒントと秘訣をまとめました。

 

「 持久力」は身体的能力の一つ。疲労の蓄積によって起こる、足の疲れや心拍数の上昇のような身体的影響に長時間耐えることができる能力のことを指し、よく話題に上ります。私たちが毎日トレーニングをするのはまさに、その身体的持久力をつけるためです。それでは「精神的」な持久力は、どうやって鍛えれば良いのでしょうか?そもそも、そんなものは本当に存在するのでしょうか?そして、それを鍛えることなどできるのでしょうか? 

 

今回話を聞いたOn ZAP Enduranceチームは、(チームの名前からもわかるように)精神的持久力について良く知るエリートマラソンランナーの集まりです。彼らの活躍を見ていると、精神的な持久力があるかないかによって、目標達成への道が大きく違ってくるのは明らかです。

    

精神を鍛える

     
精神的持久力は、身体能力と本質的に結びついていることが研究で明らかになっています。事実、精神疲労がワークアウトに影響を及ぼすのを避けるために、可能な限りフラットな心でトレーニングをすることは科学的に推奨されています。ただその一方で、精神的に疲れていることがトレーニングを休む理由にはならないとも強調されています。走ることは、-ランナーの多くが経験から知っているように― 頭を休めてストレスを解消するという側面も持っているからです。 

 

On ZAP Enduaranceチームのタイラー・ペンネル選手は、精神的持久力のトレーニングに身体面と同じくらいチームで重点的に取り組んでいると言います。 

 

「強い精神力はとても重要です。脳は筋肉ではありませんが、『精神的持久力』の向上に取り組むことは可能です」。では、具体的にどうすれば良いのでしょうか? 

 

確実な方法の一つは、より長い距離を走り、一層努力を傾けてみることです。特にマラソンのトレーニングではレース中に時々リラックスするリカバリー方法を身に着ける必要があります。より長い時間努力を続けることで、シミュレーションを行えます。

    

チームを率いるピート・レア監督も、不屈の精神は強靭な長距離ランナーが持つべき基本的な要素だと話します。

  

「『何だって乗り越えられる』という考え方を持つことは非常に重要です。行く手にどんな挫折があろうとも、道路にでこぼこがあろうとも、気にせずに『進み続ける』アスリートは、勝利を得られることが多いのです」

    

 

また、長距離ランは山場を迎えたら最後の粘りが必要になります。このことからも不屈の精神を鍛えることは長距離トレーニングプログラムに不可欠。 高強度インターバルトレーニングは、強さとスピードを身につける優れた方法であると同時に、レース中に経験する「苦しみの洞窟(Pain Cave)」に慣れるのにも役立ちます。タイラー選手が言う、長い距離をゆっくり走るLSD(Long Slow Distance:ロング・スロー・ディスタンス)トレーニングは、長時間走ることに身体を慣れさせ、身体的・精神的な持久力を向上させます。

 

ただ注意したいのは、ランナーの精神的な回復が何よりも大変なのは、過酷なトレーニングセッションやレースの最中ではなく、実はけがをしたあとだということです。 

            

けがによる精神面への影響を乗り越える

    
アスリートのマインドセットを語るとき、「走ることに対するマインドフルなアプローチ」という点は見落とされがちです。精神的な強さは、スピードを落とすべきだと決めるときや、けがを引き起こす痛みに耐えるよりも走る距離を短くすべきだと判断する能力などに表れます。これは精神的にタフでありたいという気持ちの負の側面であり、多くのランナーが身をもって学んでいます。 

 

しかし時として、持久力のあるランナーにけがはつきものです。そしてその影響は、身体面よりも精神面でランナーをむしばむことがあります。

 

そのような場合、レア監督はランナーたちに過去に目を向けさせ、挫折から立ち直ったランナーたちを引き合いに出してアドバイスすると言います。  

 

優れたランナーは皆、けがを経験しています。ですから過去の偉大なランナーを引き合いに出し、彼らがどのようにけがを克服したのかを見せます

        

「逆説的に聞こえるかもしれませんが、私の経験では、たいていの長距離ランナー、中でもマラソンランナーはトレーニングが激しすぎるとけがをします。一般的にけがを招くのは、コントロールされた有酸素トレーニングではなく、激しすぎる高強度トレーニングです」

    

「けがをしたときに最もダメージを受けるのは精神的な部分です。私はこれまで、けがをきっかけに、自身の能力の限界を感じ始めたアスリートたちを見てきました。そんなときは監督として、たとえけがをしても才能はなくならないのだと強く言い聞かせます」

     

 

2時間15分46秒の記録を持つジョニー・クレイン選手は、けがによる精神的な影響に対処する方法だけでなく、そのマインドセットを利用していち早くけがから回復する方法を学んだと言います。 

 

「僕に冴えない時期があったのは知っていると思います。そんなとき、前向きな姿勢が身体の早期回復にどれほど効果的かが書かれたものをたくさん読むようになったんです」 

 

「それで新しい見方に意識を集中し始めました。僕はOn ZAPチームに属し、適切な治療を受けていて、監督がいつもようすを見てくれている。同時に僕はチームメイトを支え、自分自身のコーチングにより深く関わることができている、という見方です」 

 

「つまり、今置かれている状況がどうであれ、問題を捉え直して、より対処しやすいものに置き換えること、そして、僕たちには走れないことで動揺することもできるのだから――それはとても幸運なことだということを忘れないことです」

 

「僕のアスリートマインドセットは、受け入れること、そして、自分がコントロールできることに意識を集中することです。できることは、けがをより上手く受け入れられるように、けがとどう向き合うのかをコントロールすることだけです。そして、この唯一の仕事はシンプルなものでなければなりません」

 

 

【カギとなる6つのポイント】「アスリート的マインドセット」その2:持久力
    

1.激しいトレーニングをして、楽にレースを走る

レース当日に直面することになる精神的試練に向けてトレーニングしましょう。トレイルレースの場合は、長距離の坂道を走って本番の登山に備えましょう。必ずレースのペースで走り、苦しい状況下でも快適さを見い出せるように。そして長時間走り、2時間の枠を超えた時に生じる、予期しない心の働きに慣れましょう。 

 

2.どんな天候でも外に出る

さまざまな天候条件に備えた精神面の準備を心がけましょう。Onの創業者で元世界チャンピオンデュアスリートのオリヴィエ・ベルンハルトは、「そこでトレーニングできないならば、そこでレースなどできない」というモットーを強く支持しています。 雨が降っても雪が降っても、または気温が暑くても、どんな天候でも外に出ましょう。そうすることで、たとえ天気が変わっても、母なる自然がレース当日に投げかけてくるあらゆる試練を平常心で耐えぬける自信が持てます。

     

アスリートのお気に入り:Waterproof Anorak
On ZAP Enduranceチームのニコル・ディメルクリオ選手:「Waterproof Anorakはお気に入りのランニングアパレル。私は濡れた服の感触が嫌いという(少しおかしな)ところがあるんですが、このアノラックは雨の日でも体を100%ドライに保ってくれます」
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3.自分のモットーをさがす 

大半のランナーには、走る理由があります。イベントへの参加資格を得ることであろうと、目標タイムを達成することであろうと、自分が成し遂げられることを知ることであろうと、慈善活動のための資金作りであろうと、愛する人への敬意の印であろうと、これらすべては疲労との戦いにおいて持久力を高める強力な手段になります。ですから上手く使いましょう。前進しながら、目標や大切な人の名前を何度も呟きましょう。 

 

4.やめる強さを持つ 

我慢すべきでない時を知ることも精神的な強さです。自分の身体の声に耳を傾けましょう。1日休息をとっても気にせずに過ごせる精神的強さを持ちましょう。自分が危険ゾーンにいる時を自覚し、けがをする前に止めることが大切です。 

 

5.物事をシンプルに保つ

心は単純ではありませんが、物事をシンプルに保つというジョニー・クレイン選手のアドバイスは適切です。目的や目標をシンプルに整理することは、心を落ち着かせて力を最大限に発揮するために使えるテクニックです。例えば、レースの最終段階を1㎞ずつに区切って捉えたり、次の街灯を通過することを目標にしたりできます。また、けがのリハビリのために一日を過ごして、回復を促すために自分にできることのすべてをやっている、と自覚するのも良いでしょう―― そうです、休養のことです。 

 

6.プラスの面と自分がコントロールできることに意識を集中する 

避けられないと思えるけがに襲われたら、プラスの面に意識を集中する努力をします。回復することや、けがをした結果として新たなモチベーションを持てる可能性などに焦点を当てます。また、レア監督が教えてくれたヒントを参考にして、偉大なランナーたちもけがに苦しんだことを思い出しましょう。そしてその後、彼らがどう進んでいったのかも。 

    

   

クレイン選手のアスリートマインドセットは「受け入れること、そして自分がコントロールできることに意識を集中すること」です。 彼と同じアプローチを取り、ネガティブなことには必死で抗いましょう。自分ができることに集中し、自分が何もできないことは受け入れてしまいます。そうすれば、常にプラスの面を見出せるでしょう。そして、それらに集中することで、きっとつらい時期を乗り越えられます。けがをしたら、普段おろそかにしている身体のほかの部分を鍛えるチャンスだと思いましょう。自己管理について考えることに時間を使い、より強くなって復帰できるように調整し、大切な人や友だちと久しぶりにゆっくり時間を過ごすのも良いですね。心を鍛えてプラスの面に意識を集中することで、つらい時期が、将来より優れたアスリートになるきっかけに変わるかもしれません。   

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