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レース後のリカバリー方法

マラソンの完走、おめでとうございます。そして、お疲れさまでした。歓声も静まり、呼吸が整ってくると、さっきまで感じていた高揚感は何か別のもの――痛み、疲労、倦怠感へと姿を変え始めます。マラソン後のベストなリカバリー方法をご紹介します。

 

マラソン後のリカバリーは、大会に向けたトレーニングと同じくらい重要です。大会後もレースで走っていたときと同じくらい素晴らしいコンディションを保てるよう、マラソン後のリカバリーに必要な情報を集めました。以下のステップに従ってみましょう。

 

 

マラソン後の身体に起こること

マラソン後、ランナーの筋肉はダメージを受け、栄養の蓄積もない状態になっています。ただ、身体が出す全てのシグナルを聞くことは、まだできていない状態でいます。ランナーがマラソンを完走すると、衝撃で背骨が圧縮されたランナーの身長は平均で1.25cm縮み、ランナーのペースとコンディションにもよっては、脱水により最大10%まで体重が減少すると言われています。これらが示すように、長時間にわたり長距離を走るということは、普通の体には慣れていないことです。限界を超えてレースを終えた後の身体は、それ相応の対価を求めています。もちろん身体の回復はレースと同じように、体調や、鍛え方によって差が出ます。ただ、これから紹介するマラソン前・最中・後の、マラソンの段階に応じたガイダンスに従えば、マラソン後のリカバリーにかかるとされる、週単位の期間をきっと大幅に減らし、トレーニングを再開することができます。

レース前

通常のランナーはマラソンの準備に多くのトレーニングが必要です。専門家は、最低でもレースの6週間前から、毎週のトレーニングで約65kmの距離を走るよう推奨しています。トレーニングプランは通常レース前の3、4カ月から始まりますが、リカバリーはこのような初期の段階から気にするべきです。さまざまなストレッチに身体がどう反応するかをテストするなどして、回復するさまざまなテクニックを試す必要があります。早く始めれば始めるほど良く、より長めのトレーニングランの後に習慣づけることで、より健康的にトレーニングを続け、大会後の回復がよりしやすくなります。

 

1.  暖かい服に着替える:長距離を多く走り、結果を出せば出すほど、そこから受けるストレスに対し身体の免疫力が下がり始めます。これ(は初めてマラソンを走るランナーがレース後に体調を崩す理由のナンバー1)に対処するには、長時間走った後の、濡れて湿った服を早く着替えることです。クールダウンで体はショックを受け、かぜを引いたり病気になりやすい下地を作ります。

 

2.  水分補給:言うまでもありませんが、トレーニングで失った水分はすべて、その後に補給する必要があります。全てを一度に取り戻すことではありませんが、ゆっくりと着実に、体が許容できる速度で、身体の水分を必要なレベルまで再構築することが大切です。トレーニング後は通常、1時間あたり約500mlの水分補給が推奨されています。ソフトドリンク1本半分と考えてください。ただし、甘いジュースでなく水を飲みましょう。

 

3. ストレッチとローラーで筋肉をほぐす:マラソン当日を迎える頃には、ストレッチはもはや生活の一部となり、気が付いたらストレッチをしている状態になっているでしょう。マラソン中に起こる最も典型的なけがは(水膨れ、痙攣、脱水症状以外だと)足首のねんざとハムストリング(太腿裏の筋肉の総称)で起こります。そのため、トレーニングセッションの後は早めにその部分をストレッチしておくことが大切です。足首を時計、反時計回りにぐるぐる回すストレッチは、長距離ランで疲れたときに足首のねんざを予防するのに最適です。フォームローラーで足の裏側および大腿四頭筋(太ももの前側)を上下に動かしてハムストリングスを伸ばすと、最も簡単に回復時間を短縮できます。

もちろんですが、トレーニング中にほかのけがや痛み(肩の痛み、膝の問題など)を感じている場合、その部分のストレッチやテーピングを意識して行います。専門家にアドバイスを求めるのも良いでしょう。マラソン当日に慌てて対処するよりは、余裕を持って対処しておくのが賢明です。

 

4.  適切な食べ物による栄養補給:トレーニング後の水分補給とともに、何かを食べて栄養補給もしましょう。トレーニングのレベルによっては、レースに向けて食事の量やカロリー摂取を増やす必要があります。マラソンを走るとおよそ2600カロリー消費(典型的な食事の約5回分)されるので、トレーニングの量に比例して、食事の量も増やすことが必要です。ここで覚えてほしいのは、前よりトレーニングやランニングを行っているからといって、食生活をおろそかにするとトレーニングを減速させ、場合によっては支障さえきたす恐れがあります。毎晩ファーストフードで外食するのではなく、質素で栄養価の高い、プロテインが豊富な食事を楽しみましょう。またマラソン前日(または当日朝)は、炭水化物を摂取する必要があると覚えておいてください。パスタやじゃがいも、米など、炭水化物はエネルギーとなって身体に蓄積され、レースの後半で消費されます。このエネルギー補給を正しく行うことで、後半のバテを防ぐことができるのでとても大切です。パフォーマンス栄養士ベン・サミュエルズ(Ben Samuels)さんの、マラソンに必要な栄養補給のガイドもぜひチェックしてください。 

 

マラソン大会までの数週間でこれらを習得すれば、良いレースと回復への道は保証されたも同然です。もちろん、走りは楽しくなければなりません。そのためにレース当日に目を向けて「ランナーのみが行うこと」を試し、自分に合っているかどうか、またどのようなものが自身のトレーニングと回復を助けるかを自分の目で見極めることが大切です。たとえば水風呂、ディープティッシュマッサージ、フォームローラーなどは「プロ」向けのように思えるかもしれませんが、マラソン走るのであれば、ぜひすべてを試してみるべきです。もしかしたらマラソン後の回復に最適かもしれません。 

 

マラソン大会当日の走りと、マラソン後のリカバリーをベストに導く、重要な最後のヒント。それは日焼け止めです。 

 

暑い日にマラソンを走ったことがある人なら誰でも言うように、日焼け止めはランニング中とランニング後の両方で重要になってきます。42.195kmの間、太陽の照りつける環境の中で過ごしていることを、ランナーはついつい忘れてしまいますが、日焼けで受けるダメージは想像以上です。SPF40または50以上の強いウォータープルーフの日焼け止めは、レース後のリカバリーで心配事を1つ減らすことができます。

レース中

ピストルが鳴り、レースがスタートしました。レース最初の数キロは常に手探り状態です。観客から聞こえる歓声、不安、ほかのランナーの存在などが勢いに拍車をかけ、落ち着いて考えることなくただ前へと走り、先にあるすべてのことに思いを巡らせます。 

 

レースのほぼ半分を通過すると体内のブドウ糖が減少し、炭水化物の蓄えがなくなり始めます。レースが始まる前に十分な栄養摂取を必要とするのはこれが理由です。同じことは水分でも起こるので、特にレースの後半に、エイドステーションで補給する必要があります。大事なことは、水と食べ物を少しずつ取り入れること。一気にすべてを取り込むのは良くありません。必要に応じて約10 kmごとに、すべてのエイドステーションを利用して飲み物や食べ物を取り栄養補給しましょう。栄養補給ジェル、スポーツドリンク、フルーツ、チョコレートなど、これらのアイテムはレース中、そしてレース後の回復を助けてくれます。(特にバナナに含まれる)カリウムは、体内に血液を効率的に巡らせ、けいれんを防ぎ、体内水分を保つのに役立つ重要な要素です。足が張り始めて(できれば)早い回復をと願うなら、エイドステーションで手当を受けることも必要です。 

 

マラソンを走り抜くにためにはほかに、靴ずれや擦りきず用にテーピングやばんそうこうを用意しておくと良いでしょう。医者や救護スタッフはコースのあらゆる場所で待機していますが、まさに靴ずれをして救護が必要な時にほどいないものです。そのため自身であらかじめ対処できるように用意しておくと、けがの悪化のリスクを軽減し回復もより早くなります。

 

レース終了後の最初の5分間

ついにフィニッシュラインを越えました。さあこれから、本当のリカバリーが始まります。セルフィーを撮りハイファイブをした後、最初にすべきことは、乾いた暖かい服に着替えることです。レース後、汗で湿った服を着たまま長い時間を過ごすことは、多くのマラソンランナーが犯すミスの1つです。服を着替え終わったら、栄養補給と水分補給を開始します。バナナはレース後に最適です。運が良ければ、フィニッシャーのメダルと一緒に手渡されます。そしてもちろん、できるだけ早く水分を補給して体調を良くすること(ここでカリウムを再び補給します)。食べ物と飲み物を用意したら、ストレッチやマッサージをする場所を見つけます。ゴールまで3~5時間ほど身体を動かし続けてきたので、筋肉を徐々に冷やしつつ、できるだけ暖かく保つことが大切です。筋肉マッサージクリームもここでのショートカットになりますが、時間が問題になる場合は、主に足、ハムストリングス、そして背中の順番で、さすったり、ストレッチをすることに集中してください。

 

レース終了後の最初の1時間

(おおよそ15分間)完全にストレッチができたと感じたら、体のリカバリーがようやく始まります。それまでに受けてきたあらゆるストレスのため、レース後の最初の1時間は、体の免疫システムはかなり低下した状態です。そのためレース後の体力に応じて、かぜを引いた場合と同じように最初の食物を摂取します。暖かい野菜や鶏肉のスープは、レース後のあらゆる不調を回避する役割を果たすほか、内側から身体を温め、失われた水分の一部を取り入れるのにも役立ちます。炭水化物の補給も大切で、医師もパスタまたは米類の摂取を推奨しています。そしてストレッチを行った後も、可能であれば動き回ったり、歩き回ったりしてみてください。身体中の血流を促進することは、有利なリカバリースタートに役立ちます。

 

レース後の水分補給は大切ですが、もっと大切なのは、補給をし過ぎないこと。身体の水分を回復する大体の目安は、マラソン後1時間につき、たったの500mlです。 

 

水分の摂りすぎで血液中の塩分濃度が下がり、低ナトリウム血症を引き起こしてしまう可能性を防ぐためにも、少しずつ水分を取り再構築します。レース関係者はフィニッシュラインを通過した最初の1時間以内に、プロテイン飲料の摂取をおすすめしています。これもまた筋肉の回復を助け、できるだけ早く再構築する栄養素を体に取り入れるためのものです。

 

レース後にできるだけ早く試してみるべき最後のリカバリー方法は、シャワーまたは入浴です。入浴はリラックスに、シャワーはコントラスト療法に適しています。シャワーの場合は主に足と背中に焦点を合わせて、それぞれ30〜60秒間、温度差のある熱いお湯と冷たい水を交互に繰り返しあてます。この種のシャワーは、酸素が豊富な血液、タンパク質、カリウムを得るのに役立ちます。つまり、基本的にレース後に取り入れた水分やあらゆる栄養素が、速く作用が必要な筋肉の周りに送り出されます。ですので、身体を回復させる一環として、ぜひ長いシャワーをお楽しみください。効果は試すに値します。  

 

 

レース終了後の夜

大規模なレースが終わった日の晩は、食べたり飲んだりして自身をねぎらい、ゆっくりと時間を過ごしましょう。水分の摂取は、体を理想的な状態に戻すために最も注意を払うべきものです。体の内部の機能が正常に戻ったことを示す良い目安として、トイレで尿の色を確認すると良いでしょう。おそらく、ランニング直後は濃い色なりますが、水分補給をすることで数時間後には黄色から薄い黄色に変化します。食べ物、とくに炭水化物系の食べ物で頭がいっぱいになると思いますが、なるべく栄養価があり、カロリーの高い食べ物を楽しむと良いでしょう。アイアンマン世界チャンピオンに輝いた経歴の持ち主で、Onの伝説的アスリート、ハビエル・ゴメス・ノヤ(Javier Gomez Noya)選手は、少し塩味が強いものも勧めています。ちなみに彼のレース後のお勧めの食べ物は?――ピザだそうです。

 

マラソンを走った後の夜は、自身の身体に耳を傾け、特に普段とまったく違う痛みがないかを確認します。筋肉痛は予想されますが、足に体重をかけられないほど痛む場合は、筋肉痛ではない可能性があります。靴ずれや擦り傷のような小さなけがでも、シューズを間違えて選んだ可能性があるため、次のマラソン前に調整を行う必要があります(この時点では次のマラソンのことなど考えられないかもしれませんが)。

 

それがすべて完了したら、ベッドの時間です。眠りは最高のリカバリーです。かつてない最高の睡眠を確保できるでしょう。

 

レースの翌日

レースの翌日は、血流と回復を促進できるよう、優しく身体を動かすことをおすすめします。おそらく数日間は走る気力がないと思うので、水泳などは優れたリラックス運動です。ゆっくりとバイクで運動するのも良いでしょう。マラソン直後の数日間は、マッサージと毎日のストレッチも回復をさらに促進します。

 

下記はマラソン後のリカバリープランの一例です。もちろん最も重要なのは自身の身体に耳を傾け、自身のペースで行うことです。

 

レース後のリカバリープラン

  • 1日目:プールでの非常に軽い運動。
  • 2日目:プールまたはバイクの軽い運動。マッサージも良いでしょう。
  • 3日目:ウェイトを使った運動と短い「テスト」ウォーキング(2km)。ストレッチ(またはヨガ)。
  • 4日目:2回目のプールまたはバイクの軽い運動、または身体が回復したと感じた場合は、短時間のスローペースのラン(最大5km)。
  • 5日目:ゆっくりと通常のルーティンに戻ります。
     

 

心はほんの数日で元に戻る準備ができたと感じるかもしれませんが、体はまだ時間が必要かもしれないということに注意してください。

 

最も重要なのはマラソン後の最初のランニングで身体に耳を傾け、すべてに問題がないか確認することです。

 

次のマラソンの準備はできていますか?

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