「自分の直感に自信を持って、自分自身を信じるように彼女に教えました」―デイゼン・リツェンハイン監督
アリシア・モンソン選手が籍を置くOn Athletics Clubは今月4日、米ロサンゼルスで開催されたSound Running track meetで、初めて10Kレースに出場しました。
モンソン選手は10kmを31分10秒のタイムで走り、オリンピック参加標準記録を見事クリア。同時に、米国史上9番目に速い女性選手となりました。
「プロの10Kレース初出場、オリンピック参加標準記録突破、米国史上9番目に速い女子の10Kタイム記録…?2021年のシーズンに向けて、良いスタートが切れたと思います!」(モンソン選手)
チームメイトのジョー・クレッカー選手もまた、初出場した10Kレースで、(オリンピック参加標準記録突破までわずか7秒の)27分35秒という素晴らしいタイムを記録しました。クレッカー選手はInstagram上で、レースの感想と、チームをまとめるリツェンハイン監督から受けたサポートへの思いをシェアしています。
リツェンハイン監督に、2021年のチームの展望について話を聞きました。
On:今年は大変な1年でした。才能のあるアスリート8人の監督を務めることになって、どんな気持ちでしたか?
デイゼン・リツェンハイン:「チーム編成を始めた今年の春から夏は、誰にとっても不確かな要素がたくさんありました。アスリートのレースシーズンは完全にストップしていたので、急にプロのグループに参加することは大きなステップでした。ただ、この間にチームとしての強さや絆を築く時間ができたことは確かです。また、ボルダーでの合同トレーニングの最初の数週間で、私がまとめるのは、実に特別なランナーが属するグループだということも分かりました。また、私はすぐに、チームメイトの存在によって、それぞれが持つ可能性を最大限に引き出すことができるのだと実感しました。厳しい練習を重ね、楽しい時間を共に過ごしてきた私たちは、ようやくチームとしての存在を世界に見せることができると思うと、信じられないほど胸が高鳴りました」
これまでも、いくつかの素晴らしい結果を出しています。オリーとジョーはコロラドで1マイル4分の壁を破りました。オリバーは1500mをテネシー史上最速で走りました。そして今回、アリシアが初参加の10Kレースでオリンピック参加標準記録を突破しました。2021年のシーズンに向けて、チームはどのように感じていますか?
「私たちは、実に力強いスタートを切りました。チームの発表前から、オリーとジョーは、標高1524mのコロラドで、それぞれ1マイル3分56秒と5分38秒のペースで走っていました」。Music City Distance Carnivalで初めてレースに参加した時、私たちは彼らが積み上げてきた厳しいトレーニングの結果をしっかりと見せたいと思いました。
「オリーは、3分34秒で走り、とてつもない自己新記録を樹立して圧勝しました。そのレースと、そのあとに参加したいくつかのレースで、チームのほぼ全員が自己新記録を樹立しました。8月の終わりと9月の初めに少し休みを取り、オリンピックイヤーとなるこの先の長い道のりに向けて、心と体の準備を整えたんです。その後、2~3カ月の間、みっちりと基礎的なトレーニングを行いました」
「今週末に南カリフォルニアで行われたTrack Meetで、レースに出場した目的は2つありました。まず5kmのレースは、自分の強みが何なのかを、それぞれが確認するための体力テストのようなものでした。選手には、まさにそれが必要だったんです。彼らは自分の得意な距離よりも長いレースを走りました。それによって、冬のレースシーズンに向けて、自身がこれまで以上に強くなっていることが分かったんです。とはいえ、今週末のハイライトは何といってもアリシアとジョーの10Kデビューだと、チーム全員が思っています」
ジョーは毎週トレーニングを重ね、1週間に105マイルを走っていました。アリシアのトレーニングでは、彼女がいかに特別なアスリートなのかを実感させられました。
二人は初めての10Kレースで飛びぬけた成績を収め、オリンピックチームの編成を真剣に議論する場では、彼らの名前が挙がるようにさえなりました。しかしこれは、このチームの始まりに過ぎません」
これらの結果を出すために、どれだけの献身的な仕事と舞台裏での努力が必要だったのでしょうか?
「『成功に秘密はない』こと、それが成功の秘密です!チームは毎日努力を重ね、お互いを励まし合っています。全員がそれぞれの目標を持っていますが、レース当日にベストを尽くせるよう、一緒にトレーニングに励んでお互いを高め合っています」
「レース本番で助けてくれる人はいません。しかし、日々のトレーニングがすべてなのです。彼らは毎日お互いを支え合っています。私たちはチームとして週に5~6日、顔を合わせています。選手は競技場でトレーニング、テンポトレーニング、長距離ランを一緒に行います。また週に2~3回ジムに行って筋力トレーニングをして、軽いランニングもします。彼らは結束力の強いチームになりました。そのことが、目的達成を目指す日々のトレーニングでとても役立っています」
次はいつ、OACのレースが見られるのでしょうか?
「これまでの3カ月は基礎を築く期間でした。先週末のレース結果は素晴らしいものでしたが、現在は冬のレーススケジュールに焦点を当てています。今のところ、2月に行われる屋内と屋外でのレース参加を予定しています。スケジュールはまだ流動的ですが、レースの予定に関係なく、この春に速く走れることを目標にトレーニングプランを組んでいます」
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